PFC-FD™療法

PFC-FD™療法とは

当院では再生医療のひとつであるPFC-FD™療法をいう治療を導入しております。
2010年頃からPRP療法という自己の血小板の持つ組織修復力を利用した治療が行われるようになってきており、欧米などでは靭帯損傷や肉離れ、腱炎などのスポーツで生じる怪我の治療に応用されており、田中将大投手や、大谷翔平投野手が治療を受けたことでも有名です。血小板は血を止める機能を担うことで知られていますが、傷んだ組織の修復因子も多く含まれており、この治療ではまず患者さん自身の血液を採血・遠心分離し、血小板を多く含む血漿を抽出します。この血小板を多く含む血漿のことをPRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)といい、これを患部に注入し、痛みの軽減や損傷した組織の修復を図るといった治療がPRP療法になります。
当院で導入しているPFC-FD™療法とはそのPRPからさらに濃縮した成長因子のみを抽出して注射するもので、PRP療法を一般のクリニックでも使いやすいように工夫されたものになります。PFC-FD™とはPlatelet-Derived Factor Concentrate FreezeDryの略でセルソース株式会社の提供する商標です。

適応について

対象疾患については変形性膝関節症、肩腱板損傷、靭帯損傷など多岐に渡りますが当院では主に変形性膝関節症を対象としております。
※癌などの悪性疾患の既往のある方、血液感染症をお持ちの方、リウマチなどの炎症性疾患が背景にある方などは適応とならない可能性もあります。

治療の流れ

①問診、診察

問診、診察でPFC-FD™療法の適応かどうか確認し併せてレントゲンやエコーなどの画像検査を行い患部の状態を評価します。正確な病状診断目的にMRI検査も必要に応じてお願いすることもあります。

②採血・感染症検査・加工

50mlほどの採血を行い、特定細胞加工物製造施設に検体を輸送します。
そこで血液感染症の検査をおこない、問題なければ清潔な環境で血液からPFC-FD™の作成を行います(完成まで約3週間程度お時間をいただきます)

③注射

患部にPFC-FD™を注射します。基本的には注射部位は1回につき1部位ですが場合によっては2か所まで注射することが可能です(製剤は半年間保存可能です)
即効性はありませんが、1週間~6ヶ月程度で組織の修復が起こります。徐々に炎症が収まったり痛みが軽減したり効果が認められてきますが効果や持続時間には個人差があります。

費用について

PFC-FD™療法は新しい治療であり、現在自由診療という枠組みの中で行われています。
保険適応外のため全額自己負担となり費用は180,000円(税込)です。

保険適応外でやや高額な治療になってしまうため、効果がより期待できそうな患者様を中心に提供させていただいております(一般的に関節症の変化が軽微な方ほど効果が期待できるとの報告があります)
こちらの治療について興味・関心のある方はお気軽にお問い合わせください。